2012年9月30日日曜日

更地 @ 京都

昨日は、11/3-4に記録写真にてお世話になる、kunioさんの更地を見に京都に行ってきた。

更地は、男女の二人芝居だったのだけど、とても美しく、いとおしい作品だった。

杉原邦夫さんの演出はとても清々しく、観ている側をあっという間に
芝居の世界に引き入れてくれた。
本来は初老の男女の話を、あえて20代前半の役者を選んでいたのだが、
若い役者が演じることで、登場人物の心情が、なぜかリアリティを増していたように思う。
役者の演技力ももちろんだが、なんというか、初老の男女が変わらず持ち続けている
小さなときめきや、相手への愛情みたいなものそのものが舞台に出てきた感じだった。

そして、台本自体もとても素晴らしいものだった。
太田省吾さんの1992年の作品とのことだが、全く時代を感じさせない。
それどころか、私自身が年をとったのもあるかもしれないが、とても“今”なのである。

こんなにも、セリフの一つ一つが心にずしんとくる作品は久しぶりだった。
そして、それが心にずしんときたのはやはり、台本だけでなく
あらゆるものが重なり合ってできた“作品”だったから、なんだろう。


観終わった後、なんとなく京都の河原町近辺をぶらついた。
京都は観劇やライブなんかで、しょっちゅう一人でも来ているのだが
改めて歩いてみると、見えないものがたくさんあった。

街並みや人々の生活や、鴨川の音や、風。
素敵な街だと、改めて感じた。
今度は、きっちり予定を立てずになんとなく来てみるのも良いのかもしれない。





2012年9月26日水曜日

一人酒

今週は月曜から友達と祝い酒を飲んだ。
人と飲む酒はいいなと思った。
 

一人暮らしをしてから、一人酒というものをするようになった。
実家にいたときは、たぶん一度も飲んだことがなかった。

残念ながら、あまりお酒に強くない。
母が鹿児島出身だというと、たいていお酒に強いのかと聞かれるが
母も弱いから、当然、強くない。

一人で酒を飲むときは十中八九、残念なことがあったときか
やきもきしてるときか、まぁ要は、気持ちが前を向けない時が多い。
酒を飲むことで前を向けるかと言われれば、残念ながらまず向けない。
見ないふりをするための、とりあえずの特効薬といったところだろうか。

以前に、一人暮らしをしている友達と話をしていたら、その友達はほぼ毎日
一人で酒を飲んでいるといっていた。
そうなると、その人にとっては、お酒と悲しいことは結びつかないということだ。

私もそんなふうにすれば、もう少しお酒と上手な付き合い方をできるのかもしれない。


こんな文章を書いている自分は、残念ながら一人酒の最中で、
もしかしたら、明日か明後日には、この文章はお酒を飲んでいない私によって
なかったことにされてしまうのかもしれないな。

でも、たまにはこういう衝動で文章を書いてみるのも良いのかもしれないし
文章なんて、衝動がないなら書くべきではないのかもしれない。

あらかじめ決められた恋人たちへ という変わったバンド名の『翌日』という曲を聴きながら
明日のことを考える。

こんな『翌日』が来るなら、きっと私は今日よりずっとずっと、強くなれる気がする
でも、翌日は“来る”ものではなくて、きっと向かっていくものだし、創っていくもんだ。



2012年9月15日土曜日

東京アパッチ族

 
気付けば1か月が過ぎていた。
 
というのは嘘で、気付いていながら1か月が過ぎた。
怒涛のごとく、あわただしく濃厚で深すぎる1か月が終わった。
 
 
私も高校生のころから足を運んでいた七ツ寺共同スタジオが40周年を迎え、
40周年記念プロデュース公演に、演出部として参加した。
 
演出部とは、言ってしまえば演出助手のようなもので、
演出が、より円滑に芝居作りに臨めるための対応や、ちょこっと気付いた演出的な話をしたりする。
 
正直、こんなに大変な舞台づくりは初めてだった。肉体的にも精神的にも。
同時に、自身の力不足を痛感したし、たくさんご迷惑もかけた。
 
ただ、本当にいろいろと、身に染みる期間だった。
迷惑をかけた分学ぶことが山のようにあって、怒られた分だけ反省があった。
反省の次に来る実践に早くうつさなくてはならないんだけども。
 
ただ、いつも不思議だったのは、いざ稽古に出向くと、楽しいのだ。
いや、楽しいとはちょっと違うな。なんか、ざわざわと胸の奥が疼くのだ。
どんなに大変でも、1日のうちにふと、その大変さを忘れる瞬間が必ずあって
そんな瞬間があったからこそ、私はここまでやってこれたんだろうと、今になってみれば思う。
 
そして何より、本当に素敵な人たちに出会えたことを、心よりうれしく思う。
みんな、素敵な目をしていた。
 
 
 
アパッチが終わって最初の週末。
一人暮らしを始めてから、一番汚くなってしまった部屋をまずはきれいにして、
そして、また新しいことへの一歩を踏み出す。
 
今日は12月にかかわる舞台の最初のワークショップ。
さらに、12月半ばには、芝居ではない、ちょっと素敵なイベントがやってきそう。
 
とても楽しみ。